武川蔓緒(つる緒)の頁

みじかい小説を書きます。音楽や映画の感想つぶやきます。たまに唄います。成分の80%は昭和です。

2019-05-21から1日間の記事一覧

音楽を聴く<4>

●吉田美奈子"FLAPPER"(昭51) 自作曲は少ないが、当時のファミリー勢揃いで豪奢なサーカスの如く真摯にふざけていて、乙女なポップスでもやさぐれ歌謡曲風味でも、後年のような仙境を思わせる曲でも、美奈子さんは平等に、メインボーカルと言うより楽器の一種…

音楽を聴く<3>

●沢たまき『ベッドで煙草を吸わないで』(昭47) 熟成した唄声とドラマの姐御キャラで人気に。 この盤は当時ありがちな流行歌カバー(自身の曲含む)と侮り聴けば。過ぎし日を湖底で永劫語り続けるような音色はオリジナルを消し去り(サントワマミーの咀嚼とか見…

音楽を聴く<2>

●デビッド・ベノワ『ジス・サイド・アップ』(昭60) まるで全曲が異なる映画のサントラのよう。壮大なのもあれば、コメディやハードボイルドも。どれにせよ聴き手を選ばぬ包容力にうっとり……してたらラスト、CDのみ収録のピアノソロ曲で突如流転する内的宇宙…

音楽を聴く<1>

●高井麻巳子『いとぐち』(昭62) 基本統一感ある造りだが。高橋幸宏作曲(!)のテクノ寄りな『こわれかけたピアノ』から、ありそうで少ない和テイスト薫る『風鈴物語』への異色な流れが堪らない。 『木綿のハンカチーフ』を更にシビアにした風な『約束』もいい…

Jasmine『オブリヴィオン』(平26)

ピアノ小場真由美さん、コントラバス中村仁美さんによるデュオJasmineの2nd。二人のオリジナル曲をはじめ独自の調理によるスタンダードジャズ、フュージョン(ジョー・サンプル)、クラシック、ポップス(ビートルズ等)が並ぶ。ゲストミュージシャンにパーカッ…

satoko“Oneness”(平17)

<自然体で大胆なフットワークで国境を越え、突き詰められた繊細な世界観で唄を紡いでゆく、活動の場は主にジャズクラブでありつつも、カテゴライズ(「歌手」という言葉でさえ)が無意味に思える人。 2ndアルバムは全編ピアノ牧知恵子さんとデュオ。既成の…

アルベルト田中"FANTASIA"(平26)

シャンソン、クラシック、更にはロック…と、幅広いジャンルで国内外問わずライヴやレコーディングに参加、更には演奏でなく役者として朗読劇もされているという多才で謎めいたピアニスト、アルベルト田中氏'14年リリースのリーダーアルバム。何がいちばん謎…

橋本一子&橋本眞由己ライヴ(平21)

(平成21年10月16日のライヴの感想) ジャズバーにて、橋本一子さん、橋本眞由己さんのライヴ。 一部が一子さんのソロピアノ&唄、二部が眞由己さんの唄と一子さんとのデュオ。 テーブル席が並ぶ中、グランドピアノの背後をカッコで括る風なカウンターがあり…