武川蔓緒(つる緒)の頁

みじかい小説を書きます。音楽や映画の感想つぶやきます。たまに唄います。成分の80%は昭和です。

ドラマ『非情のライセンス』鑑賞記録<参>

<昭和48~55年、天知茂が特捜部刑事を演じたドラマシリーズ。

好みのエピソードの感想を書いてゆきます。ネタバレを多少含みますので御注意を>

●第1シリーズ41話『兇悪の試験地獄』
受験は大して描かれず。受験生の母(福田公子)をはじめとする、きれいに装いながらも欲望剥き出しの同級生熟女4人へと、いつの間にかフォーカスが切り替りびっくり(ルーツは映画『みな殺しの霊歌』だろうか?)。
むろん全員天知との駆け引きがあって、ホストクラブの男も絡んだりして……男女共に香気が終始ムンムン。

●第1シリーズ42話『兇悪の新曲』
売れっ子作曲家に計3人の女性歌手が絡む。楽曲はちあきなおみ的なテイストで、歌手のメイクや衣裳も時代に沿いサイケで趣深い(君夕子・入江魔子の2人は実際に歌手らしい。各々1曲披露)。
小林幸子が出てるけど何故か歌手役ではなかった。それで良かったと思う(笑)。若手ギタリスト役に田辺靖雄

●第1シリーズ45話『兇悪のスキャンダル』
NHK朝ドラ第一作ヒロインであった北林早苗が、知的でいて蠱惑的な風情で、上司で愛人であった男への復讐を企てる……オープニングが思わせ振りだったわりに、華麗な復讐に値するほどの男でなかったせいか、尻すぼみ。ちょっと勿体無い。

●第1シリーズ47話『兇悪の顔』
ムショ帰りの、それでも威厳を薫らせるヤクザ(内田良平)と、それに関わる姉妹(新藤恵美真山知子)。三人揃って眼が光るような澱むようなインパクトある表情で、潜入捜査する天知と終始血を通わせ渡りあう。脚本も最後まで緊張感が途切れない(と思う時は往々にして、いつもと違う脚本家)。もう一人潜入する関西のおばちゃんもナイス。

●第1シリーズ52話『兇悪』
最終回は、影で政治も動かすほどの大物に挑む。清々しいほど?男ばかりで、画面が黒ずんでる。目立つゲストとしては出門英(ヒデとロザンナの)がいたが、曲が少し流れたかと思えばあっさり撃沈。大ボスの佐々木孝丸が、爺にも婆にも見える顔で、本当に国を操り嗤うかのようで震えた(でも前述の45話にも株主役で出ていたと、調べるまで気づかず)。


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