武川蔓緒(つる緒)の頁

みじかい小説を書きます。音楽や映画の感想つぶやきます。たまに唄います。成分の80%は昭和です。

ドラマ『非情のライセンス』鑑賞記録<伍>

<昭和48~55年、天知茂が特捜部刑事を演じたドラマシリーズ。

好みのエピソードの感想を書いてゆきます。ネタバレを多少含みますので御注意を>

第2シリーズ7話『兇悪の黒い天使』
ゲスト影万里江。弘田三枝子かしばたはつみのようなルックスとアーモンドな声が魅力的。劇団四季の人気女優だったそう。そう言えば天知とほぼ部屋で終始する様は演劇的。
対比するようなどこかカラッとした若者達の動きも興味深く(動き出す車に窓から乗ってた。身軽と言うか無謀と言うか)。ラストにもびっくり。

第2シリーズ9話『兇悪の口紅』
ジュディ・オングの静と動の魅力が抽出される。
茶室で天知と、厳かな静寂と所作を纏いつつ、事件核心に迫るシーンは美的。
鹿児島ロケは派手さに欠けるかと思いきや、火山灰吹きすさぶ桜島で逃走など、結構スリリング。
どこに行っても若者にディスコはつきもの? 髪を乱し踊るシーンもあり。

第2シリーズ10話『兇悪の星』
夜間中学に通う男(佐々木剛)が容疑者に。違うドラマみたいな味わい深いクラスには生徒として内海桂子・好江も登場! 男が住むコンクリアパートや、近所?の水門など風景も芳ばしい。
『故障係の60番』というのがあった。「○○○○番は電話カバーをかけてて受話器が外れることがあるんです」等と局員が把握していて面白い。

第2シリーズ14話『兇悪のロマン』
頭から尻尾までクレイジー
関西訛り(標準語であるつもり)のエロ富豪・曽我廼家明蝶、乞食の頭領?・坊屋三郎と灰汁だらけの老優ゲストを皮切りに、レギュラー陣も女性捜査専門刑事?の高城丈二、ドラアグばりに輪郭濃く動く江波杏子(ラストシーンは本当にドラアグ)……と、さながら『プレイガール』の趣。
あと外見ギャルなのに男言葉のゴシップ記者が苛つかせてくれる。50年代の邦画にもよく似たのがいたけれど。

第2シリーズ15話『兇悪の故郷』
捜査一課のエリート渡辺文雄と特捜部の天知との、攻防って言うか本当は仲良し?な様子が描かれる。天知がやんちゃな弟で渡辺が真面目な兄って感じだが、今回は渡辺もらしくない強引さを見せるのが痛快。
ゲストは二度目?の赤座美代子。実力者の夫人でありつつ庶民性が少々はみ出す様子がぴったり。


©️2021TSURUOMUKAWA