武川蔓緒(つる緒)の頁

みじかい小説を書きます。音楽や映画の感想つぶやきます。たまに唄います。成分の80%は昭和です。

映画・ドラマを観る<5>

●映画『レベッカ』(昭15)
ヒッチコック作品。何の予備知識もなく観たので、お化け屋敷の幻想譚みたいな前半から、現実的?な方向への転換に面喰らったが。屋敷の内部は美しく。仮装(仮面ではない)舞踏会のシーンも良かった。私的にナンバーワンの衣裳は、冒頭の肥ったおばさんが着たシースルードレス。

●映画『勝手にしやがれ』(昭34)
嗚呼。やる気があるのか無いのか、映像も音楽もメインの役者でさえも、鮪でもぶつ切りするみたいに扱う感じが痛快。
切られた心も肉体も、時を経るにつれ余計な柵や枷が削がれ、軽やかになってゆく。景色が動向が、たとえ夜でも闇でもハレーションの如く眩しく刻まれる。

●ドラマ『ウーマンドリーム』(平4)
裕木奈江演ずる田舎娘がスターに…という話だが。観衆はどこ?と思うほど脚光浴びる場面を見事に斬られ、内幕の話が少人数で小演劇的に綴られる。スターの主観ってこんなか?とシュールな気分に。佐藤友美・春川ますみ中条静夫が現れると画面から昭和が薫りだす。

●映画『緋色の爪』(昭19)
ホームズの映画。殺人事件の犯人を「怪物」と信じこむ、直接の関係者以外はどこか暢気な田舎町の人々、ホントに怪物かしら?と思わせる幻想的な描写、全員怪しく美味しいメインキャラ…リアリティーは兎も角、ムードやメリハリある展開が心地好い。ドジなワトソンも愛らしく。

●映画『囀る鳥は羽ばたかない』(令2)
R指定のBLなので注意。アニメにボカシ入るの初めて見た(笑)。極道の割に喋り過ぎ?人懐こい?とは思うが、怪奇な程のハードさと弛さの中に男の切なさ(と可笑しみ)が光る。
H ZETTRIOのジャズにも酔わされ。続編が決定してるが、ここで終結と捉えるのも良いかも?


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