武川蔓緒(つる緒)の頁

みじかい小説を書きます。音楽や映画の感想つぶやきます。たまに唄います。成分の80%は昭和です。

音楽を聴く<13>

●斉藤とも子"20ANS"(昭56)
大村憲司林哲司瀬尾一三といった当時では最先端?の布陣で丁寧に造られている。独り言のような歌声はニュアンスがきっちり拾われ花ひらく。不似合いに思える快活な曲でもチャーミング。斉藤本人撮影によるメンバーのスナップもあり、きっと楽しかったんじゃないかと思う。

中原理恵"KILLING ME"(昭53)
B面は『東京ららばい』等の筒美京平ディスコ歌謡。世間のイメージする所。
A面の研がれ加減に驚く。山下・吉田・坂本・清水靖晃……端的にパッケージした印象のB面と較べ、時間も長いように錯覚し、琥珀の海にでも浮かぶ気分となる。歌声も伸びやか且つ涙交りで堪らない。

中村晃子ジェーン・バーキンみたいだね』(昭52)
作曲は高田弘、杉本真人、長戸大幸。色気は意外と控えめ? 曲のジャンルは多彩だが言葉の畳み掛けとか和製フォーク要素が強め。声も森田童子や浅川マキぽかったり。高田によるソウルなインストが唐突だがカッコいい。こういう曲でも歌って欲しかった。

玉置浩二"All I Do"(昭62)
ソロ1st。松井五郎と1対1のタッグでより内へと潜り情緒露わ、且つ風雅、且つアクティブ。エロスもより深く……メリハリ効いた曲順が、情事の最中、事後、始まりを、フラッシュバックで延々ループさせるかのよう。ゾクゾクし、目眩がする。ラストの子供コーラスさえ、狂気。

萬田久子『夏の別れ』(昭56)
主演映画に沿い作られた(サントラではないみたい)。安川ひろしと倉田信雄による心地好いボサとフュージョンに、萬田の弛緩して虚ろな歌唱と台詞が凭れる。相手役の男の喋りだけ熱っぽい。作詞は脚本の中島丈博と、三浦徳子。三浦の「愛はふいに岩をも砕く」って詞に驚愕。


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