武川蔓緒(つる緒)の頁

みじかい小説を書きます。音楽や映画の感想つぶやきます。たまに唄います。成分の80%は昭和です。

音楽を聴く<8>

ニャンギラス『最初で最後』(昭61)
おニャン子クラブ内の所謂色物ユニット。とは言えかっ飛ばしているのはシングル曲ぐらいで、他は夏終盤のリリースに合わせたアイドルナンバーがならび時に切なくさせられたりも。
樹原亜紀って良い素材だと思う。渋谷系の人とかと組んだらきっと面白かったろう。

西村知美『天使時間』(昭63)
今更だけど西村知美が歌うのを想定して曲が書かれているのに感動する。只簡単なメロをという事でなく(細野晴臣大村雅朗は手加減無いし)。ファンタジーやSFと児童唱歌を織り交ぜた風な世界観が大正解。色恋は要らないのかも?
サエキけんぞうの詞が予想外に嵌る。

●ラジ『真昼の舗道』(昭55)
テクノな音使いよりも、シャンソン風味の詞を軸にタンゴ・クラシック・オールディーズ……と多彩な曲調で攻めた所が面白い。A面は手堅く、B面は個性強め?
私的には『真昼の舗道』~『霧の部屋』の痛切な流れが好き。矢野顕子作『みどりの声』のやさぐれ加減も癖になる。

いしだあゆみいしだあゆみ』(昭56)
ティンパンアレーの次はパラシュートとのタッグ。歌謡曲とニューミュージックとが各々傷つけ合わずしかし躊躇わず真髄を貫く様子は、安易な企画モノでない活け花のような存在感を薫らせる。
作詞は岩谷時子ユーミンユーミンも結構色香と情念の焔を見せる。

●荒砂ゆき『夜のメカニズム』(昭45)他
本業は女優らしい。台詞はきれいな声で話すのに歌に入った途端、愛の脱水症状って感じのハスキー声に化けたりする。音域も広いし、歌手業の短さは惜しい。
ときにデビュー曲はウッドベースソロで渋く始まるが、歌謡曲でそういうの殆ど無いのでは? 新鮮。


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